GAコーナーストーンでは今月から新しいテキストを読み始めた。『Sharing Recovery Through Gamblers Anonymous』、通称「ブルーブック」である。GAの基本テキストとして位置づけられているが、日本語では旧版の抜粋しか存在しないため、新版を翻訳しながら読み進めている。
今月の範囲
- 書籍:『Sharing Recovery Through Gamblers Anonymous』(ブルーブック)
- 章:序文、第1章「イントロダクション」
- テーマ:書籍の成り立ちと構成、強迫的ギャンブルという病気の本質とGAの定義
章の概要
序文では、ブルーブックの歴史と改訂の経緯が述べられている。本書は1984年に初版が発刊され、2007年に改訂、2023年に全面改訂された。2023年版では「スポンサーシップ」「再発」「自殺」の3章が新たに追加されている。第1部は回復と一致のためのプログラム、第2部は体験談という2部構成である。
第1章「イントロダクション」は、強迫的ギャンブルという病気の本質、GAの定義、20の質問という3つのテーマで構成されている。意志の力や決意は防御にならないこと、いつかコントロールできるという考えがすべての強迫的ギャンブラーの強迫観念であること、そして私たちは進行性の病気に捕らわれていることが述べられる。同時に「解決がある」という希望も示されている。
キーワード
- 進行性の病気(progressive illness):時間とともに悪くなることはあっても、決して良くはならない病気
- 共通の問題(common problem):強迫的ギャンブラーに共通する問題。これを解決するためにGAに集まっている
- 強迫観念/妄想(obsession/illusion/delusion):いつかギャンブルをコントロールできるようになるという思い込み
- 経験・力・希望(experience, strength and hope):他の人の回復を助けるために分かち合うもの
- 解決(solution):GAが提供する、強迫的ギャンブルからの回復の道
ミーティングレポート
今回は序文と第1章「イントロダクション」を、質問形式で読み進めた。
序文では、ブルーブックの成り立ちと構成が確認された。本書がどのような経緯で改訂され、何を目指しているのかを共有した。
第1章で最初に取り上げたのは、強迫的ギャンブルの定義である。本書では「進行性の病気」と明記されている。意志の弱さや道徳的な欠陥ではなく、病気である。この認識がGAの出発点となる。
議論が深まったのは、「意志の力、決意(Determination)、自信は強迫的ギャンブルに対する防御にならない」という箇所である。一方で、ステップ3には「決心(Decision)」という言葉が出てくる。この違いは何か。ミーティングでは、ここでの「決意」は自分の力で何とかしようとすること、ステップ3の「決心」はハイヤーパワーにゆだねることを選ぶこと、という整理がなされた。似た言葉だが、向いている方向が違う。
回復を先延ばしにする言い訳についても議論があった。本章では、強迫的ギャンブルに至った理由がどのようなものであれ、それは回復を遅らせる言い訳にはならないと述べられている。ストレスや家庭の事情、仕事の問題など、理由は様々かもしれない。しかし、回復より先立つものはない。この指摘は、多くの参加者にとって厳しくも核心を突くものだった。
本章で繰り返し強調されるのは、「ギャンブルをコントロールできる」という妄想の根深さである。本書は、この妄想を手放せないまま刑務所や精神病院、あるいは死に至る者もいると記している。厳しい言葉だが、正直に自分を見つめるための土台となる。
最後に確認したのは、「解決はある」というメッセージである。絶望を分かち合うだけでなく、回復という希望がGAにはある。第1章は、その希望への入口を示している。
今月の問い
- 自分が「本物の強迫的ギャンブラー」だと認めることに、抵抗はなかったか?
- 「いつかコントロールできる」という考えを、いつまで持ち続けていたか?
- 意志の力や決意でギャンブルをやめようとして、うまくいかなかった経験はあるか?
- 回復を先延ばしにする「言い訳」として、何を使っていたか?
次回予告
- 日時:2026年2月11日(水)21:00~
- 範囲:第1章の続き、第2章
- URL:https://gacornerstone.org/meeting-20260211/
